女性職員への接し方や叱り方、介護の現場で明日から使える対応策

軽く注意しただけなのに、しばらく目も合わせてくれない。女性職員同士のもめごとをどのようにおさめたらいいか分からない。

介護の現場でマネジメント職につく男性にとって、女性職員の対応に戸惑う人が多いようです。

今回は、女性職員への接し方や叱り方などを、シチュエーション別にご紹介します。

男性はロジカル、女性は五感で感じる

一般的にいわれるのは、男性は論理的思考や特徴、能力を重視する人が多く、女性は感性豊かでコミュニケーションやイメージを重視する人が多いということ。その根拠は、男性脳と女性脳のちがいという説もありますが、信ぴょう性は明らかでないようです。

ひとつ考えられるのは、人類の進化のなかで培われてきた役割分担による影響。たとえば男性は、狩りをしたり敵と戦うために、闘争心や危険なことにチャレンジする役割をになってきました。集団のなかでも、論理的で効率的に動くことが求められ、伝達方法も簡易性や迅速さを重視してきたといえます。

一方で女性は、子どもを育てるうえで、言葉の通じない赤ちゃんの表情などから情報をキャッチする必要がありました。子どもが発信する小さな信号から、快・不快や欲求を感じとる力が自然と養われてきたのでしょう。また、家族を守るために、集団のなかで細かな情報交換をおこなってきたため、コミュニケーション能力もすぐれているといえます。

シチュエーション別、女性職員への対応方法

もちろん、思考スタイルや性格には個人差があります。「女性だから」「男性だから」と一概に決めつけることはできませんが、女性職員への指導や対応方法において、一般的な傾向を理解しておくことは助けとなるはず。ここからは、実際に介護の現場でおこりやすいシチュエーションを想定して、女性職員へのマネジメント方法を考えていきましょう。

1.女性職員を叱るときは「具体的に」

「泣かれると困る」「気をつかって強く言えない」など、女性職員を叱るのが苦手という管理職の方は多いようです。

女性の職員を叱るときに、気を付けたいのは

  • できるだけ具体的に注意する
  • 本人の話をしっかり聞く
  • 最後に、ねぎらいの言葉やほめ言葉をそえる

女性には、持ち前の寛容性や調和性からか、仕事で注意されたときに「失敗の原因は自分にある」と重く受け止めたり、自分の人格までもが否定されたと感じてしまう傾向があります。叱るときには、どの部分が間違っていたのか、どのように改善してほしいのかをはっきりと伝えましょう。

また、女性にかぎったことではありませんが、叱ると同時に意欲を高めてあげるひとことも大切です。日頃の頑張りをあなたがちゃんと理解していることを、言葉で明確に伝えましょう。

2.女性職員同士のもめごと。仲裁に入る時は「平等に」

介護の職場では、職員の年齢や経験値、職歴などもさまざま。介護方法などについても意見が分かれることが多いため、口論の原因になることがあります。

女性の職員同士がもめたときには、以下のことに配慮しながら早めに問題解決に動きましょう。

  • もめている職員両者と、同じ条件で話を聞く
  • どちらも否定しない。どちらの味方にもならない
  • しっかりと話を聞いたうえで、ブレない方向性を示す

ほとんどの場合、「自分の話をちゃんと聞いてくれた」ことで、気持ちがラクになって問題解決につながる場合が多いもの。そこで気を付けたいのが、公平でありつづけること。話を聞く立場も時間も、不公平にならないように対応します。そして、最終的な結論を出す際には、その根拠も明確に。どちらかが正しいからではなく、自分たちのめざす介護の方向性に沿った選択であることを伝えましょう。また、人間関係の問題は、起こる前にその芽をつんでおくことも大切。日ごろから、短い時間でもよいので、職員一人ひとりの話を聞く場を用意しておくことをおすすめします。

3.ほめるときは「共感」で伝える

女性は、相手とのコミュニケーションや信頼関係を大切にしたいと考えるもの。喜びや悲しみ、怒りなどを分かち合える関係性を大切にします。

ほめるときにも、相手の存在を認めていること、共感していることを強調しましょう。

共感や信頼感を伝える表現としては、

  • 〇〇さんがいてくれるから助かる
  • 〇〇さんに任せておくと安心
  • いつも忙しいなか、ありがとう
  • なるほど、それは気づかなかった

また、何かを相談されたとき、いきなり結論だけを伝えるのはNGです。相手の状況や悩みについてまずは共感を示し、その後で解決策を提示するようにしてください。

 4.もし、泣かれても「冷静に」

注意をしているときに、泣かれたとしてもあまり気を使いすぎないこと。ほとんどの場合は、悲しくて涙を流しているのではなく、感情がたかぶって涙が出てしまっただけということが多いものです。

気持ちが落ちつくまで少し待ちながら、静かな口調で対応し、笑い話のひとつでも盛り込む余裕をもちたいものです。

 5.新たな仕事を頼みたいときは「成長のチャンス」をアピール

少し経験をつんだ職員にステップアップしてほしい。むずかしい仕事だがチャレンジしてほしい。その役目を引き受けてもらうためのカギは、成長できることを理解してもらうことです。女性は男性よりも、学ぶことや自分探しへの意識が高い傾向にあります。新たな仕事の意義や、取り組むことで得られるスキルなどをていねいに伝えましょう。また、人はだれしも期待に応えたいと思うもの。「いつも元気な〇〇さんだから適役」「利用者様の気持ちをくんであげることが上手だから、この仕事に向いている」などと、「あなただから」頼んでいるという雰囲気をかもしだすことも効果的です。

女性職員は、タッグを組めれば頼もしい存在に

男性管理職にとって、女性の感情はなかなか理解しづらい部分があるかもしれません。しかしながら、コミュニケーションや信頼関係をおもんじる女性職員にとって、「この人は信用できる」「この上司のために頑張ろう」と思ってもらえたら、これほど強いチームはありません。

「人の力」が最大の資産である介護の現場において、職員みんなが元気に活躍してくれる環境をつくっていきたいですね。